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エドガーとエリーヌが退室したあと、ダリルは厳重に鍵をかけられた奥の一室に向かい、ガラスケースに収められた大きな魔石の前に立った。

金色をしたそれは、いつになく輝いて見える。


「これはもしかしたら、もしかするかもしれんな……」


古びた厚い書物を閉じるパタンという音が部屋に響いた。


「風のいたずら、か」


くすっと笑って眦を下げる。
ダリルが人差し指をくるりと回すと、ダリルのすぐそばで小さなつむじ風が巻き起こった。