ーージリリリ、ジリリリリ。

けたたましいスマホのアラーム音で私は目を覚ました。

「…今、何時…?」

枕元に置いてあるスマホを手探りで探し、アラームを止めた私は時間を確認してみる。

時刻は朝の7時。

「よかった〜…。ちゃんと余裕持って起きれたよ」

予定していた時間にきちんと起きれることができた私は、満足気にベッドから体を起こすと、うーんと、大きく伸びをする。

その時。

あれ…?

私は机の上に置かれていたあるモノに目が釘付けになってしまう。

この犬のぬいぐるみって…。
え、ウソ!たしか、一昨年なくしたやつだよね…!?

そう、これは私が小学生の時にゲームセンターでゲットした景品。中学生になったばかりの頃は、カバンにつけて学校に持っていくくらいお気に入りだった。

たしか、中学2年生の時に、どこかで落としちゃったんだよね…。

落としたのに気づいて、しばらく探してはみたものの結局見つからなかったことを思い出す。


ウソ〜!懐かしいなぁ。でも、今さら出てくるとかある!?お母さんが見つけてくれたのかな??

久々のぬいぐるみとの再会を喜んだのもつかの間。

「でも、このぬいぐるみ…こんなに綺麗だったっけ?」

1年間は、カバンにつけていた犬のぬいぐるみのわりには、まるで新品のようにキレイな姿のままで、私は小首をかしげる。