「お口にあいませんか?」
エドワード王子が心配そうに私に尋ねてくる。

「いえ、とても美味しいです」
異世界に転生しても、私の体は食べものを受け付けようとしない。
前世で給食の残飯を口に押し込められた記憶に、まだ苦しめられている。

ルイ国のサイラス王太子殿下と、レイラ王女、エドワード王子殿下と私で高級レストランに入った。
エドワード王子殿下はレストランの常連なのか、彼が入るなりVIPルームに通され勝手にコース料理が出てくる。

「エドワード王子殿下、貴族令嬢は常にウエストを細く見せるため努力をしているのですよ。あまり、女性が食事をするのを見つめてはなりません。努力は隠れてしたいものです」
レイラ王女がエドワード王子に語りかける。

同年代の女の子から、このような優しい気遣いを受けたことがなく私は彼女が好きになってしまった。
彼女は11歳らしいが、3歳年下のエドワード王子のことが本当に好きなのだと表情を見ればわかる。