「勘違いではないですよ」


にっこり微笑んだ彼が後ろを向く。


正直、湊人のお母さん……美波さんと一緒に暮らす羽目にならなくて心底安心していた。


再び車に乗り込むと、大きなため息を溢した湊人。


「……相変わらずなんだね」

「ああ」

「湊人、大人になって自由になれるの?」

「多分無理だな」

「……じゃあ、私が連れ出してあげようか?」