「祥!」
お兄ちゃんが一目散に駆けてきた。
起き上がるまもなく強く抱きしめられる。
大好きな匂いに包まれて目の奥が熱くなる。
なんともいえない再会になってしまったが、一時は永遠の別れを覚悟した相手だ。
いつもどおり私のことで怒ってて、いつもどおり抱きしめてくれて。
当たり前だったことがこんなに大切なものだなんて知らなかった。
「お兄ちゃん…生きてる」
「うん、生きてるよ」
「ほんとに?幻じゃない?」
「ほんとだよ。心配かけてごめんね」
鼻先同士をつんと合わせられ、くちびるの端にキスを落とされる。
愛おしさすらおぼえるスキンシップ。
「ばか。お兄ちゃんのばか。
お兄ちゃんなんて嫌いだ」
「そんなこと言わないでよ。
祥に嫌われたらお兄ちゃん死んじゃう…」
「ごめん、うそ、大好き。でも次あんな危ないことしたらもう口きかないから」
「…うん。ごめんね。祥」
「許す。生きていてくれてありがとう」
大好きなお兄ちゃんの体をぎゅっと抱きしめ返した。
生きてる。あったかい。
優しい心音を聞きながら、腕の中の命を惜しみなく感じた。
「よかったじゃん兄妹感動の再会!泣けるねぇ。ほらイカレ王子くん、命があればそれでいいじゃねえの?そんなプンプンすんなって。これは命を賭したゲームなんだからよ」
安らかな空間に、神経を逆撫でるような声が割り込んできた。
言うまでもなくイースだ。



