◇Clown Act◇⇧




ひとつ息を吐いて、再度問いかけた。





「イース、指定のマークは?」


「………スペード」





左手と右手。


1枚ずつ手に持たれたトランプカードが掲げられた。


じっくり眺めて、イースのことを見る。


最後の確認だ。



「私がカードを外したら?」

「ボクと一緒に死ぬ」


「カードを当てたら?」

「……」



数秒、時が止まって





「キミだけのために笑わせてよ、一生」





蜂蜜色の瞳に私を閉じ込めたピエロが歯を見せた。


それを合図に手を伸ばす。


心、体温、ピエロ、人間。


ぐるぐると胸中に巡る思考。


ふと目に留まったあるものが、私の指先を導いた。




「これにする」




私が選んだのは


左側のトランプカードだった。