ひとつ息を吐いて、再度問いかけた。
「イース、指定のマークは?」
「………スペード」
左手と右手。
1枚ずつ手に持たれたトランプカードが掲げられた。
じっくり眺めて、イースのことを見る。
最後の確認だ。
「私がカードを外したら?」
「ボクと一緒に死ぬ」
「カードを当てたら?」
「……」
数秒、時が止まって
「キミだけのために笑わせてよ、一生」
蜂蜜色の瞳に私を閉じ込めたピエロが歯を見せた。
それを合図に手を伸ばす。
心、体温、ピエロ、人間。
ぐるぐると胸中に巡る思考。
ふと目に留まったあるものが、私の指先を導いた。
「これにする」
私が選んだのは
左側のトランプカードだった。



