背はたいそう高く、優美な雰囲気ながら、空恐ろしいほどの力の気配がある。
薄い紫を帯びた白地の豪奢な上衣に袴を纏った彼は、琴禰を軽々と持ち上げていた。
琴禰をまじまじと見つめ、切れ長の凛々しい目を大きく見開いている。
「人間……?」
男らしい喉仏から発せられた声は重低音の色気を含んでいる。
彼は、自分が拾った生き物が人間であることに驚いているらしい。
琴禰も、あやかしの国でまさか人間と出会うとは思っていなかったので驚いた。
「あなたは、誰?」
なくなった気力を振り絞り、掠れた声を必死で出した。
すると、男は慈しむような優しい眼差しで、衝撃の事実を告げた。
「俺は、あやかし王だ」
薄い紫を帯びた白地の豪奢な上衣に袴を纏った彼は、琴禰を軽々と持ち上げていた。
琴禰をまじまじと見つめ、切れ長の凛々しい目を大きく見開いている。
「人間……?」
男らしい喉仏から発せられた声は重低音の色気を含んでいる。
彼は、自分が拾った生き物が人間であることに驚いているらしい。
琴禰も、あやかしの国でまさか人間と出会うとは思っていなかったので驚いた。
「あなたは、誰?」
なくなった気力を振り絞り、掠れた声を必死で出した。
すると、男は慈しむような優しい眼差しで、衝撃の事実を告げた。
「俺は、あやかし王だ」



