エレオノールに叱られたリュースが哀れっぽい鳴き声をあげ、尾を垂れさせて上目遣いになる。

 季節が変わり、ようやく今日この日を迎えてもひとりと一匹に変化はない。

「いたずらばかりするなら、いつも通りお勉強に行ってもらうわよ」

「みゃっ、みゃああっ!」

 言葉を聞き分けたリュースが首を横に振る。

 エレオノールにたっぷり甘やかされてきたリュースにとって、シュルーシュカのドラゴン基準の指導は非常に厳しいものらしかった。

 初めてのブレスによる大惨事についても、エレオノールとジークハルトが思わず止めるほどきつく説教をしている。