しかしエレオノールはそれを口に出さず呑み込んだ。
「ジークハルト」
気配を殺すようにして見守っていた皇帝がようやく口を開く。
「お前は、私を恨んで――」
「廃嫡の件はどうしますか」
遮られた皇帝が目を細めてジークハルトを見つめた。
恨んでいるかと聞くことさえ許されていないのだと知り、口をつぐんでから再び話しだす。
「この状況で聞くな。お前は第二皇子のままだ」
「父上。……継承権はジークハルトに譲ってください」
黙っていたハインリヒが横から言う。
「なぜ、俺に」
「ジークハルト」
気配を殺すようにして見守っていた皇帝がようやく口を開く。
「お前は、私を恨んで――」
「廃嫡の件はどうしますか」
遮られた皇帝が目を細めてジークハルトを見つめた。
恨んでいるかと聞くことさえ許されていないのだと知り、口をつぐんでから再び話しだす。
「この状況で聞くな。お前は第二皇子のままだ」
「父上。……継承権はジークハルトに譲ってください」
黙っていたハインリヒが横から言う。
「なぜ、俺に」

