学年が違ったって、小学生同士とか中学生同士だったら近くにいるって思えるのに。

「今年だって、高校と中学で離れ離れになっちゃったら……臣が小六だった頃みたいに、またあんまり会えなくなっちゃうんでしょ?」

また泣いてるわたしに、臣が〝コツンッ〟ておでこをぶつける。

「そんな風に思ってたんだ」

臣の顔が近い。

「だって、そうだったじゃない。学校だって朝早く行くようになっちゃって、放課後もお休みの日も、あんまり会ってくれなくて」

あの頃は、嫌われて避けられてるのかと思ってた。
だけど、中学に上がってきたら元の懐っこい臣に戻ってた。

「さみしかった?」

臣に聞かれて、思わず素直にうなずく。

「ごめん、侑莉。それ、全然ちがうんだ」

「え?」

「俺だって、どうして4月2日に生まれちゃったのかなって思ってた」