「お前なんかが二度とちかちゃんの友達を語るな!!」
「あんたにわたしたちのなにが分かるっていうの!?」
二人ともびしょ濡れになりながら、普段からは考えられないような形相で言い合いをしている。
わたしは萎えた膝を奮い立たせて、必死の思いで声を上げた。
「ち、ちょっと……!? 待ってー!!」
バシャバシャとぬかるむ地面を蹴って二人の間に割って入る。
二人はわたしの声には気づいていなかったようで、わたしの顔を見たとたん驚きの表情を浮かべた。
「二人とも! 待ってってば!!」
「ち、」
「ちかちゃん……!」
佐藤くんが慌ててひなたの腕を離すと、ひなたはそのまま力を失ったかのようにふらついてしまう。
「わわっ」
わたしは思わずひなたを支えようと手を伸ばす。ひなたの冷たい小さな手を引いて、その体を支えた。
そして肘にかけていた青い傘をワンタッチで開いて、無理矢理ひなたに握らせる。傘の柄ごと力ないひなたの手を包み込むように。
ただでさえ冷え切った体がこれ以上雨に濡れるのはよくないと思ったのだ。


