(いた……!?)
水濡れの木立のそばにひなたの姿を確認した。もはやひなたの制服は全体的に色が変わるほど濡れてしまっていて、ふわふわの髪は乱れて顔にはり付いてしまっている。
そして同時に、もうひとりの人物がそこにいることに気がつく。
それは、自らの傘をひなたに差し出す佐藤くんの後ろ姿だった。
ひなたに声をかけようとしていたわたしは、その光景が目に入った瞬間雷に打たれたように動けなくなってしまう。
(なんで……佐藤くんとひなたがここに?)
たまたま? 偶然なのだろうか?
いや、偶然会うような場所ではない。
なら二人で会っていた?
びしょ濡れのひなたに佐藤くんは傘を握らせようとするが、ひなたはなぜかその傘を手で弾く。
――そして次の瞬間、ひなたが佐藤くんの胸に飛び込んだ。


