「部活中のかっこよさにも磨きがかかった。オレ、いつもこころの中で千花を応援してる。バスケコートから千花の姿がよく見えるんだ。レギュラー選抜おめでとう。次の大会、見に行こうかなあ」
ごくりと無意識に喉が鳴った。藤井くんがわたしに覆いかぶさるような体勢をしているせいで、イスを引いて立ち上がることさえ封じられている。
『ねえ、なんか視線感じない?』
『あー分かる。最近部活でもときどき……』
こんなときになってようやく信頼する友達の言葉を思い出す。
「見て、たの……? わたしのこと」
わたしは必死に、絞りだすように声を出した。
「うん。ずっと。千花を見てた。――玉之江先輩だっけ? あの人はほんとうにカッコいいよな! 千花が好きになるのもよく、分かる……」
嫌な汗が髪の生えぎわから首を伝う。玉之江先輩のことまで知られていることに、わたしはうつむきながら目を見開いていた。


