こういうときは放っておくのが一番だとわたしの経験が言っている。
『千花ってさ、なんであの子と仲よくしてるの?』
亜矢に言われた台詞が頭の中をよぎる。
「なんで、か……」
理由が必要なら、わたしはなんて答えよう。
『これからもひなたと仲よくしてね』
昔、そう願われたからだ。亡くなったひなたのお母さんに。
優しくて素敵なお母さんだった。会うたびにひなたと仲よくしてくれてありがとうと言われた。
小学四年生のとき、事故で亡くなるまでは。
同じころにわたしの両親も離婚して、それからひなたとわたしは片親の元で育つ同じ境遇の仲間になった。
授業参観に誰も来なくて文句を言い合ったり、引き取り訓練のときは親が来れないから二人で手を繋いで学童に行ったり。
誰とも分かち合えない孤独を、ひなたと共有して生きてきたと思っている。
(まあ、そう思ってるのはわたしだけかもしれないけど……)


