シュガーコート

 それからいつもどおり授業を終え、日直の仕事があるわたしはひとり教室に残っていた。

 ぶ厚い雲から叩きつけるような雨が地面に落ちていくのを、窓越しに眺める。

(雨、だんだんひどくなってる。早く日誌書いて帰ろう)

 ぼんやりと日誌を書いている間、わたしは今朝のひなたの様子を思い出していた。

 ひなたは昔から、理解できないことがあると軽いパニックを起こす性質があった。暴れたりするわけではないから、しばらく黙っていれば自然とおさまるのだけれど。

 最近は落ち着いていると思っていたが本質は変わっていなかったのだろう。

(多分、わたしのなにかが理解できなかったんだ。ひなたの中でなにかが噛み合わなかった)