放課後、まだクラスメイトがちらほらいる教室のど真ん中で、わたしは座ったまま椅子からひっくり返りそうになる。
「え? た、玉之江先輩と!?」
「うん……千花ちゃんも先輩のこと好きだった、よね。実はわたしも初めて千花ちゃんに先輩を紹介してもらったときから、先輩のこと好きだったの」
「う、うそ。初耳なんだけど……」
「だから一番に千花ちゃんに言わないとと思って。――本当にごめんね」
申し訳なさそうに頭を下げるひなたに、わたしの心は虚しい思いでいっぱいになった。
(そうだったんだ。わたし、ひなたに先輩とのこといろいろ相談していたのに。その間に二人はうまくいってたんだ)
――なんだかわたし、馬鹿みたいだね。
「そっ……か、おめでとう」
ちゃんと笑えたか分からないけれど、ひなたは嬉しそうにはにかんだ。
ふわふわの髪に、守ってあげたくなるようなまあるい瞳。少し気の小さいひなたは小学生の頃からの友達だ。
ひなたが先輩のタイプなら、わたしは最初から望みなしだったに違いない。


