放課後、生徒会室に来た。
「今日の放課後は、生徒総会の反省会を行うよ!」
生徒総会終了後、会長の梁瀬先輩が言っていたのだが…まぁそうよね。
部屋には私以外…誰もいなかった。
「何なのホントに」
イライラする。
私だって暇じゃないのに。
ここで無駄な時間を過ごすくらいなら、部活に行ってプログラミングの勉強をしたい。
そう思う一方で、梁瀬先輩が本気で反省会なんてするわけがないという思いも、心の中にはあった。
「…帰ろ」
鞄を持って生徒会室から出ようとすると、扉の窓に人影が映る。
「…渡里」
「…………長谷田先生」
静かに開いた扉から、長谷田先生が入ってくる。
結局この人は、生徒総会の間ずっといなかった。
意味が分からない。
生徒会担当なのにね。どこにいたのかな。
「反省会は終わった?」
「…終わったどころか。いつも通り誰も来ていませんよ」
吐き捨てるようにそう言うと、長谷田先生は椅子に座った。
「まぁそりゃ、今年の総会の準備は俺とお前がやったんだから。あとの8人は反省もクソも無いよな」
「……え?」
俺とお前。
先生と私。
やっぱり、あの後の準備をしたのは…長谷田先生だったのかな。
「セッティングとかやったの、先生ですか?」
「だからぁ。そうだって言ってんの。お前が逃げるから、やる人いなくなって困ってな」
……何その、私の仕事なのに放棄したから代わりにやったみたいな言い方。
あと8人に責任は無いの?
…ムカつく。
めちゃくちゃムカつく。
「…帰ります」
「え、何で。俺と反省会しようよ。反省点、聞いてやるから」
「残念ながら私には反省することがありません。さようなら」
「え、待てって」
先生の声を無視して生徒会室から出た。
…バカらしい。
先生は自分の行動について思い返して、1人で反省会をしていてくれ。