みんなの目がどこか怖くて、私は後ずさる。でも逃がさないと言わんばかりにみんなはすぐに近付いてきて、私の手足に触れる。それはまるで私を拘束しているかのように思えた。

「あなたをこれ以上危険な目に遭わせたくありません。胡桃さんに触れていいのは私たちだけなのだと、世間に知らしめたい。だから逃しません」と健吾さん。

「俺の、俺たちの花嫁になって?一生大事にする。他の男になんか目移りできないくらい愛してあげる。だからこの気持ちを受け取ってほしいな」と凪さん。

「胡桃ちゃんがそばにいないと、もう僕らはダメなのかもしれない。胡桃ちゃんとずっと一緒にいたい。他の男に渡すくらいなら殺したいくらいだ。ダメ?」と敦さん。

「俺たちと結婚すれば、もう将来のことなんて悩まなくていいんだ。この家で俺たちの帰りを待って、笑顔を見せてくれればいい。だからこの手を取って。俺たち以外を見るの禁止だから」と結翔くん。

「「「「結婚してください」」」」

なんて重いプロポーズだろう。これを承諾したら、私は一生自由にはなれない。逃げられない。ーーーなのに。

「はい。喜んで」

胸を高鳴らせながらそう言う私も、きっとどうかしている。