三日後。少しの緊張と胸の高鳴りを覚えつつ、私は政府の人に連れられてとある場所へやって来た。車に揺られること数十分。到着したのはドラマに出てきそうな高級ホテルだった。
「すご……」
思わず呟いてしまう。ホテルは空に届いてしまいそうなほど高く、夜はきっと綺麗な夜景が見えるんだろう。私がボウッとホテルを見上げていると、政府の人が「行きましょう」と促す。
高級感漂う調度品が置かれたロビーを通り過ぎ、エレベーターへと乗り込む。政府の人が迷うことなく押したのは最上階。最上階にはスイートルームとスイートルームに泊まっている人しか入れないレストランがあったはずだ。
「えっ、最上階で相手と会うんですか?」
「はい。レストランで四人の方と対面となります」
旦那様はまさかの四人。まあ、多重婚のテストだから一人ではないとわかってはいたけど……。
(こんな高級ホテルで対面って、私の旦那さんになる予定の人って何者?)


