敦さんとのお家デートから四日後、また週末がやって来る。今日お休みなのは結翔くんだった。

「ということで、俺とデート行ってくれるよね?」

そう至近距離で言われて断れる人はいないだろう。アイドルというだけあって、結翔くんは華やかな顔とオーラを持っている。

アイドルにはそんなに詳しくない私だけど、結翔くんの所属しているグループは知っている。クラスにもファンが多い。結翔くんはそのグループのリーダーで、テレビではいつもキレキレのダンスを披露している。

そんな結翔くんは変装をして、私の隣に立っている。電車に揺られて向かっているのは遊園地だ。休みの日ということもあって、電車内は遊園地に向かうであろう人で賑わっている。

「結翔くんは友達と遊園地に行ったりするの?」

わくわくしています、と言いたげに目を輝かせている結翔くんに訊ねる。すると結翔くんは首を横に振った。

「仕事で行くことはあるけど、プライベートでは人が集まるところにはあんまり行かないかな〜」