「もうそろそろ……なんだ?」  


甘く優しい声。この声を聞けるのは私の特権だ。

だけどこんな声を聞くと、顔が真っ赤になって身体がふにゃあっとなる。

怜士さんもそれを分かっているのだろう。こつこつと私に歩み寄り、耳元で囁いた。


「もうそろそろ……結婚するか?」



いや、ちょっと待って!そこではないでしょう。

おまけに、話が進みすぎている。

それに、怜士さんだってまだ私のことをよく知らないのに、結婚だなんて!

やっぱり、私にクリスチーヌを重ねているだけなんだ。