でも私と一緒にいる時は「神の領域」とかなんとか言って、誰もきてくれない。
なにそれー、ってあかりんはいっつも笑ってたけど。本当はむすってなってたんだろうな。

愁夜に靡かないのはこの学校で私とあかりんくらい。
私は幼馴染、そしてあかりんは単に私にべったりな愁夜が少し気に入らない、とだけ。
言い合いするし、結構仲良いと思うんだけどな。

愁夜の前をわちゃわちゃとクラスメイトが群がる様子をチラッと横目に見て、私は自分の目の前にいる大群とおしゃべりをする。

「ねぇゆう、今日あそぼーよー!」
「そうそう!今日放課後デートしよ!」
大勢の女子からの誘いに、私は頷く。

「今日は予定もないし、いいよー。ていうか、デートって。なに!」
笑ってそういうと、みんなも笑う。

私は、とんだ幸せものだ。
幼馴染ならぬ仕事仲間がいて。
親友がいて。
仲の良い友達がいて。
ファンもたくさんいて。

これ以上ない、幸せを持っている。

これ以上ない、笑顔をもっている。