「…愁夜くんに、伝えてみたら、いいこと、あるかもね」

意味深な言葉を残して、少し涙をうかべていたあかりんは自分の席へと戻っていった。


…私が一人でいたいと、察してくれたんだ。



あかりんは、よく気遣いができる、素敵な子だな。

幸せになってほしい。


あ、り、が、と。

口パクでそう伝えると、ニコッと笑ってピース。

ふふ、可愛い。




視線を机に移動してを頬杖をしながら見つめた。



…愁夜。


愁夜は、ずっと、一緒の、幼馴染。

私が、昔、好きだった人。



告白する前にウソ告されてフラれた、そんな人。




仕事仲間。





それだけじゃ、なかった。




私の好きな人、だった。

好き。好き。本当に。



昔から、ずっと、好きだよ。



でも、愁夜は、私のこと、好きじゃないんだ。

「いちばん、したくないこと」が、私に告白することだから。