「よしよし、いい子ですから泣きやみましょう。」


「わたしが先輩なのに、赤ちゃんじゃないよ。」


いい子いい子するように陽向が頭を撫でるからふてくされた口調で抗議する。


でも撫でられている間にいつの間にか涙はとまっていた。


「ようやく泣きやみましたか。雛菜先輩、本当に俺のこと好きなんですね。」


「当たり前でしょ?わたし陽向のことめっちゃ大好きだもん!」


「……っ!」

わたしが声を力を込めてそう言うと、陽向は面食らった顔をした。


「ったく。まじでそういうの反則。」

敬語が抜けて少し赤くなった陽向にわたしまで照れてしまう。


「い、今の冗談だったの?もうやめてよ!びっくりした...!」

どきまぎとわたしが返事をしているといつもの調子に戻った陽向が

「冗談はこれだけじゃないんですけどね。」

と言った。