華凛の声だ。
早瀬とともに視線を向けると、それは教室の前方。
自分の席に座りながらかったるそうに見上げる新山くんと、それを見下ろす華凛の光景があった。
目線が低いのは新山くんなはずなのに、なぜだろう、圧倒されているのは華凛に見えた。
いやな予感がする。
まさか華凛……新山くんになにか仕掛けたの?
足を踏み出そうとすれば、「いくな」と早瀬に手首をつかまれる。
「はなして……っ」
「おまえってさ、すべてに首突っ込み過ぎなんじゃねぇの?」
違う、とは言いきれなかった。
「たとえおまえが原因だとしても、事を起こしたのはアイツらなんだから、わざわざ火の中に飛んでいってやる必要はねぇよ」
おとなしくしてろ、と腰を抱かれてしまう。
もうどうしたらいいのか分からなくて、しかたなく足を戻した。



