「部活終わりだったかな。階段のぼってる最中、頭上からすげぇ物音が聞こえてさ。なんだろうとおもって立ち止まったとき……落ちてきたんだよ。男女がふたり」
「それって……」
「多分夫婦だろうな。結婚指輪つけてたし」
ぞくぞくと、得体のしれない鳥肌におそわれる。
「かち合ったのはちょうど踊り場んところ。その夫婦、重なるようにして死んだんだ」
「……」
「頭打って、血が流れて、流れた血が広がって、夫婦2人分の血がまざりあう……現実味のない現実」
ねぇ
「その光景、いまでも鮮明に焼きついててさ」
ねぇ、新山くん
「俺の本能的な意識が、いっきに塗り替えられたんだよ」
どうして
「うらやましい」
どうしてそんなに
「そう──思ってしまった」
愛おしそうなの



