「……は?」

「あなたですよね。今日桜ちゃんを閉じ込めたの」

「なんで知ってるんだよ」

「そんなの関係ないです。私、桜ちゃんが好きなんです。みんな私をいじめて変な目で見てくるのに、桜ちゃんだけはちがくて……」

「そんなの知らない」


またライバル登場かよ……。

どんだけ桜、好かれてんだよ。まぁ確かに、優しくて可愛くて美人なんだから、モテてもおかしくないのはわかるけど。


桜も可哀想だよな、俺とこの女とあのクソ野郎みたいな重たいヤツにばっか好かれて。



「つまり好きなんです!!桜ちゃんは渡しません」

「知ってんだろ、あの御曹司と婚約してんだよ」

「わかってます!それでも諦めきれない……」

「はっ、そうかよ」

「それで、提案があるんです」


提案?

信用できるやつかなんてわからないが……一つだけよくわかった。

コイツも本気で桜が好きだと。女だとかは関係ない。

強敵がもうひとり。ほんと厄介だ。