蓮くんから逃げてしまった私は、教室に向かっている途中、見知らぬ上級生たちに取り囲まれてしまっていた。


「あ、あの……」

「どうしてこんな女が一条様と!!」


……やっぱり、みんなそう思ってるんだ。


「それにアンタ、出雲様もたぶらかしてるんでしょ……!何考えてるのよ、こんな顔だけの女!!」


怒鳴られるのには慣れた。あんまり気にしてないからいいのだけれど……この人数は、なんだか嫌な予感がする。


「ほら連れて行くわよ!」

「っ……!!」


ぐいっと腕を引かれて、振り払おうとしても敵わない。


私、どうなっちゃうんだろ……。


恐怖と絶望で涙が浮かんでくる。

蓮くんと一緒にいれば、こんなことにはならなかったのかなぁ……。



その後私は、暗い体育倉庫に閉じ込められてしまった。

なんだか、よく閉じ込められてた時のことを思い出して怖くなってきた。

震える肩を撫でていると、涙がポロポロと溢れ出てきた。


寒いよぉ……蓮くん……助けて……。


あっ、そうだスマホ……!って、充電切れてる……昨日夜な夜な恋人との関係を修復する方法調べてたからだ……。