腹黒王子様の溺愛が規格外。

「これはキミだよね?」

「っ……!」

「言い逃れできないよ」

「あ、アンタだって録画してるじゃない!!勝手に撮ってんじゃないわよ!!」


確かに……その点は僕も悪かったが、桜を助け出すためには仕方のないことだった。


「家に一度も来たことないくせに気持ち悪い!!アンタ桜を偏愛しすぎだわ!!もう萎えた陽菜しらない!!」


キレ気味に去って行ってしまったクソ妹。

これで僕がヤバいヤツだとわかって桜にも近づかなくなればいいけど。


はぁ……授業出るのもだるいな。しばらくここで桜の写真でも漁っていよう。

それに教室にもカメラを仕掛けてあるから、見張っておけばいいだろう。


カメラと繋いであるスマホを取り出して、教室の様子を見守る……と、桜はそこにいなかった。

桜……?どこに行ったんだ?


いても立ってもいられなくなって、急いで保健室を飛び出した。


校内中を探すも、一向に見つからない桜に悪寒がする。

もしかして、どこかに閉じ込められた……?


そんな嫌な想像が頭をよぎってたまらない。

恐る恐る、GPSを確認した。


すると、見事に桜は体育館倉庫にいる。

あそこは鍵がないと入らない。今頃閉じ込められているのかもしれない。


急いで生徒会室に行き鍵のかかっている場所まで向かった。

けれど、そこに鍵はなかった。

そこで更にまた、嫌な予感がした。