「男だろうと女だろうと、桜を僕から奪おうとするヤツは許せない」

「そっか……」


どうしてだろう、なんだか嬉しい……私、最低だ。

蓮くんの綺麗な肌に触れる。

今度は私が頬を包み込んで、キスをした。



自分からキスするの、初めてだっ……。


「ん、桜……?」

「蓮くん、私が好きなのはずっと蓮くんだけだよ……?」

「……嘘つき」

「えっ……?」

「ううんなんでもない。僕も好きだよ」



嘘つきって言った……?

聞き逃すはずもない言葉。なんだかショックだった。ひどく寂しい声で、そんなこと言われてしまったのだから。


ごめんなさい、蓮くん……。



そして迎えた夜だった。


「蓮くんあの……」

「桜、もうそろそろ寝ようか」

「あ、うん……」


言いにくい……もう、1週間外出禁止でもなんでもいいから、許してもらいたい。

罪悪感がじわじわ込み上げてくる。

今日は蓮くんに抱きしめて寝てもらえなかった。


だから、ぎゅっと抱きついた。蓮くんに。


おやすみ、蓮くん大好きだよ。