腹黒王子様の溺愛が規格外。

「チッ、なんだ男かよ」


ポケットに手を突っ込んで、機嫌が悪そうになりながら去って行ったナンパ男さんたち。


桜子ちゃんは背が高いし、一緒にいると安心するな。


「桜ちゃん、大丈夫?」

「うんっ……!桜子ちゃん、ありがとう!」

「えへへ、桜ちゃんを助けられてよかった」


ふにゃっと微笑まれて、きゅんと胸が高鳴ってしまった。


でも、どうして男装を……?


「桜ちゃん、さっそく入ろうか?」

「うん!」


いつもの可愛らしい声とはちがって、中性的な声。


そして私は気がついてしまった。


もし……こんなところ、蓮くんに見られて……勘違いなんてされたら!!

私、1週間外出禁止になっちゃうんじゃ……!?