腹黒王子様の溺愛が規格外。

「ありがとう……!」

「ううん、行ってらっしゃい桜」


ちゅっとおでこにキスを落とされる。


「い、行ってきます……!」


きゅんと胸が高鳴りながらも、急いでお屋敷を出た。


今日は近藤さんが運転して約束の場所まで連れてってくれるらしい。


車に乗り込んで、近藤さんによろしくお願いしますと挨拶をする。


しばらく車に揺られて、ついた約束の場所。


猫カフェ……人生初めてだ。


楽しみ過ぎて、ニヤケが止まらない……!!



ぺちぺちとほっぺたを触り、ニヤケを落ち着かせようとするが、それでも楽しみでたまらなかった。


そして……何やら、きゃーきゃー騒がれている男性と見られる人がいることに気がつく。


すごい人だかりだな……なんて思っていると……。



「お姉さん今1人?」

「俺たちとちょっと遊ばね?」


大学生ぐらいの人に、声をかけられてしまった。

こ、こう言う時ってどうすればいいんだっけ……!?


「と、友達と約束があるので……」

「女?じゃあその子も一緒に遊ぼ?」

「ええ……」


断ってるということがわからないのかこの人たちは……。


困っていると、先ほどのイケメンさんが近づいてくる。


「……桜ちゃんに手出さないでもらえます?」


さ、桜ちゃん?どうして私の名前を——

その時、少しタレ目なぱっちり二重の目が、桜子ちゃんと重なった。