腹黒王子様の溺愛が規格外。

次の日のことだ。


今日は桜子ちゃんと一緒に猫カフェに行く日。

蓮くんに話も通してあるし、平和に過ごせるといいな……なんて思っていると。


ぎゅっと、抱きつかれたのだ。


「れ、蓮くん……?」

「やっぱり行かないで……寂しいよ」

「っ……!」


いくらそんなに甘ったるい声で言われたって、約束を破るなんてできない。


「ご、ごめんね……?おみあげ買ってくるから……」

「わかった、じゃあこれお小遣い……」


バッと渡された札束。


「……へ?」

「桜の好きなもの全部買っておいで」

「い、いやいや!そうだとしてもこの量は……」

「わかった、じゃあカードにする?」

「えええ……!?」


それってきっと蓮くんのじゃなくて蓮くんの親のものだよね……!?


「あ、カードはさすがに俺のじゃないけどお金は僕が稼いだヤツだから安心して……?」

「えええ……!?」


す、すご……!!

なんて感心していると、家を出る予定の時間が過ぎていることに気がつく。


「じゃ、じゃあ行くね!」

「待って、じゃあせめてこれ持って行きな」


渡されたのはピンクを基調とした可愛らしい財布。

可愛らしくもあり、どこか上品だ。