腹黒王子様の溺愛が規格外。

「わ、わかった……!!」


ドクリドクリとどんどん大きくなっていく心臓の音。

また均一に甘いものを掬って、蓮くんの口に運ぶ。


「あ、あーん」

「ん、うまい」


にっこり笑顔を浮かべてくれた蓮くんに、胸がいっぱいになる。

よ、よかった……。


「桜が口つけたスプーンで食べれて本当よかったよ」

「えっ?あ、そ、それはよかった……?」

「うん」



その後も蓮くんとパフェを食べ勧めた。

蓮くんは甘いものをよく食べる。雅くんとは真反対だ。


って……さっきまで、雅くんのことなんて忘れてたのに思い出してしまった。


お腹がいっぱいになって、休んでいる中蓮くんが何かを勘付いたように口を開く。


「桜……俺以外の男のこと考えたね?」

「えっ……あ、き、気のせいだよっ?」

「ううん、気のせいなんかじゃない。誰のこと考えてたの?」

「……同級生、中学の……」

「そうなんだ、もしかして桜の初恋の人?」

「えっ……?」


やっぱり、あれは初恋だったのだろうか……。