「初デートだね」

「そ、そっか!」


そうなるんだ……!!

なんだかそう言われると、変に緊張しちゃうなっ……。


「そんな硬くならなくても平気だよ。ほら、貸切りだから」

「へっ!?」


貸切り……!?ここ、結構いい値段のお店だったよね……!?


そんなところを、貸切って……!


店内に入るも、全然落ち着かない。

カフェの雰囲気じゃないんだよなぁ……。


「蓮くんのその、高校生とかがいないと落ち着かないって言うか……」

「そっか、わかった。3分だけ待ってくれる?」

「えっ?あ、うん?」


3分……?何するんだろう?

どこかに電話をかけている蓮くん。そんな姿さえ美しくて、また見惚れてしまっていた。


こんな、見た目も中身も完璧な人間がいていいのだろうか……。


「桜、注文しよっか」

「うん……!でも本当にいいの?奢ってもらっちゃって……」

「いいってば、むしろ一緒に来てくれてありがとう」

「っ……」


本当に、優しいなぁ……。

これを優しさと言っていいのかは、わからないけれど。