腹黒王子様の溺愛が規格外。

「可愛い可愛いって噂されてんのは知ってるけど……実物はどうってことないじゃない」


おそらく3年生と見られる生徒にそう言われた。

少し悲しいけれど……陽菜ちゃんにもっとひどいこと言われてるし、もうだうだっていい。


けれど、そんな状況を許してくれない人がいる。


「お前、出禁」


蓮くんがまたまたにっこり笑顔で指差しながら、そう言った。


「退学ね」


それだけ言って、黒板の方を向いてしまった。


「れ、蓮くん……!!」

「なぁに桜?」


先ほどまでの黒いオーラとは一転、お花がぽわぽわ見えるほどに明るい表情をさせた。


「やりすぎだよ……!私なら平気だから、許してあげて!」


そう言ったら、冷や汗をかいていた先ほどの上級生が顔を真っ赤にして、怒るように教室から出て行ってしまった。


あ、あれ……?私なんかしちゃった……?