腹黒王子様の溺愛が規格外。

ポンポンと頭を撫でられる。



階段を登り、やっと教室まで着いたのだけれど……。


「れ、蓮くん?なんで……」



送ってくれるだけじゃ、なかったの?


「今日からこっちのクラスに来ることになったんだ」

「で、でも蓮くんは特進クラスじゃなかったっけ……?生徒会は、絶対にそっちに入ってないと……」

「そんなのどうだっていいよ、ルール変えたから」

「えええっ……」


恐るべき生徒会長……。

席に着くと、その隣にやってきた蓮くん。


「い、一条様!?なぜここに!!」


そんな女子たちがザーと近づいてくる。

けど……蓮くんはフルシカト。


そういえば、私は今まで蓮くんのこと朝会とかぐらいでしか見なかったからよくわからなかったけど……女嫌いで、冷徹とか聞いたことがある。


本当、だったんだな。


そんなことを考えていると、「さーくら」と、ご機嫌良さげな声で名前を呼ばれた。


「蓮くん、どうしたの?」

「教科書忘れちゃったっ」