腹黒王子様の溺愛が規格外。

「桜は本当可愛くてずるい……いつだって、僕を惑わすんだから」

「んっ……」


そんなこと、ない。

絶対に蓮くんの方がずるくて私を惑わしている。


だけどそんなことも言わせてくれないぐらい、甘いキスをたくさん落とされた。


もう、終わったかと思えば今度はリボンを解かれる。


「れれれ、蓮くん!?」

「大丈夫、怖くないよ」

「っ……うん……」


何されるか、わかんないけど……蓮くんにされるなら、何でもかんでも嫌じゃないっ……。

丁寧に解かれたリボンは近くの机の上へ。そして、それを置いた彼の手は今度、私の首元に近づく。

器用に片手でブラウスのボタンを三つほど外したら、鎖骨ぐらいまで肌が晒される。


そこにまたキスを落とされた。だけど今度はちょっぴりチクッとする。


「れ、蓮くっ……」


怖くなって、蓮くんにぎゅっとしがみついた。


しばらくたくさん吸われて、やっと解放された私。


「はぁ、はぁ……」

「桜、ごめん。つい君が可愛いから我慢できなくて……」

「ううん……蓮くんに触ってもらえて、嬉しかったっ……」

「っ……!そ、そっか、それはよかったよ」


後ろを向いてしまった蓮くん。

ブラウスにボタンを通しながら、彼の方を見ていると耳が赤くなっていることに気がついた。


なんだかそれが嬉しくて、つい笑みを溢す。


「あ、桜……リボン付け直そうか」

「うんっ」

「僕が付けてあげるよ」

「いいの?」

「もちろんだ」