ポンッと肩に手を乗せられる。蓮くんだ。


「桜、みんなの前で僕が好きアピールなんて可愛いね」

「えっ……あっ……!」


本当だ、言っちゃってる私……!


「ってことですよ先輩。もう桜にちょっかいかけないでください」

「んだとお前」


蓮くんを睨みつける秋ちゃん。確かに、蓮くんに出会う前に一番頼っていたのは秋ちゃんだ。

けれど、好きという感情までは行きつかなかった。


「……俺がいなかったら、お前ここまでやってこれなかっただろ」

「うん……それはそうだと思う」


本当に辛くて仕方のない時は、確かに秋ちゃんの家に泊めてもらったりと、助けてもらっていた。

それには、感謝しても仕切れない。


「……わかった、お前の気持ちはよくわかったよ……だけど俺は諦めないからな」

「え……?」


あ、諦めない?

動揺する私の横にいる蓮くんを、ふと見上げてみた。

ものすごく不機嫌な微笑み方だ。目が全く笑っていない。