「桜、教室行こうか」

「うん……!」


手を握られる。私、蓮くんに手握ってもらうの、とっても好きだなぁ……。


すごく安心できるもん。


「……さ、く……ら?」

「しゅ、秋ちゃん!?」


最近学校に来ていなかった秋ちゃんが目の前に現れて嬉しくなり、つい蓮くんの手を離して彼の元へと近づいていってしまった。


「お前……結婚すんのか?」

「えっ、け、結婚はこの先の話だけど……」

「嘘だろ……なぁ、俺との約束はどうなる?」

「約束?」

「ガキの頃、大きくなったら結婚しようってお前が言ったよな?」


そ、そんな昔の話、覚えてない……!

でも秋ちゃんの大きな声で、周りがまたざわめきだす。