なんだか少し嫌な予感がする中、数十分が経ち学園に着いた。


そして……リムジンの周りに人だかりができる。

蓮くんはなんてことない顔をしながら、先に降りて私をエスコートしてくれる。


「お、おい……今日の桜様、いつにも増して可愛くね?」

「本当だ、髪巻いてるよ可愛いなおい」

「一条様、婚約発表したって本当だったのね、ショックだわぁ……」

「まああの桜ちゃんが相手ならいいんじゃない?」


ザワザワと周りが騒いでいる。

頭がぐるぐるしてきた。やっぱりみんな反対してる……?


「みんな、桜が相手ならいいねって言ってるね」

「えっ……本当?」

「うん、もちろんこれから権力欲しさに桜に悪口言ってくるヤツはいると思う。だけど安心して、ちゃんと俺が消してあげるからね」

「えっ?あ、うん……?」


け、消す?ちょっとよくわかんないけど……みんな、思っているよりは認めてくれてるのかな。