「終わりましたよ」

「あっ、ありがとうございます」


あっという間に時間が過ぎて髪の毛が巻き終わる。

鏡に映る自分は、いつもよりなんだか華やかに見えた。


「とってもいい感じです……!ありがとうございます!」

「いえいえ、似合ってらっしゃいますよ」

「えへへ……」

「桜、失礼するよ」


部屋の扉の向こうから蓮くんの声がする。


「う、うん!」


喜んでくれるかなぁっ……?

胸に手を当てて、ドキドキを抑える。


扉が開いた。


「……さく、ら?」

「蓮くん、あの、どうかな?近藤さんが巻いてくれたの」

「ふわふわしてて可愛いよ」

「えへへ、嬉しいっ……」


よかった、喜んでくれて……!