手を洗い、桜と共にダイニングルームに行き席に着く。

と、そこに佐々木がいた。

佐々木もまた、とても優秀な執事だ。


「桜さん、佐々木と申します。これから坊っちゃんをよろしくお願いしますね」

「あっ……!こちらこそ、よろしくお願いします……!」



またぺこぺこと頭をさげる桜がとてつもなく可愛らしくて、心臓がもたない。

いい加減、桜に耐久つけないとな……。



そして、たくさん運ばれてきた料理。

どれも高級品を使って作り上げたものだ。うちのシェフはとても優秀だし、桜の口にも合うだろう。


桜は野菜全般が苦手だ。なので、できるだけ味にくせがないように作り上げてくれと頼んだ。


「い、いただきます」

「召し上がれ」


一口スープを口に流し込めば、ボロボロと大粒の涙を溢した桜。

「温かいっ……美味しい……」

「……桜、今までよく頑張ったね。これからは僕と幸せになろうね」

「私……いいのかなぁ、こんなに幸せな気分になっちゃって……」

「いいに決まってるよ。だって桜は僕と幸せになるために生まれてきたんだから」


そう言って微笑むと、また涙を流し始めた桜。

本当に……君は優しくて、ひどく可哀想な子。