教室に戻って来て……。

大の仲良し、親友である杏奈ちゃんに質問攻めをされていた。


ぐるりと一周、教室を見渡してみても私に興味を示す女子ばかり。


「ねぇ！一条様どうだったのっ？」

「えっ、えっと……か、カッコよかったよ」

「あっはやっぱり！！」


杏奈ちゃんがきゃー！と頬に手を合わせて騒ぐ。

それどころか、後ろにいる女子たちの顔も真っ赤に。


ど、どれだけ人気なんだ一条さん……。


そして杏奈ちゃんが私の耳元に顔を寄せて、小声でこう言ったのだ。


「一条様、桜にぴったりだと思うの」

「……へっ？」



それを言われた瞬間、ぶわっと頬が熱くなった。

慌ててその頬に手を当てるも、熱は冷めない。


そして心臓がドキドキとまた大きな音を立て始めてしまったのだ。


「ふふっ、やっぱり……一目惚れ、しちゃったんじゃない？」

「そ、そんな……！！そんなこと、ないよっ……」

「絶世の美少女桜が初恋かぁ……みんな〜祝うよ！」


杏奈ちゃんがそう言えば、おめでとー！と私に抱きついたり頭をポンポンしてくる女子たち。


クラスメイトとはとても仲がいいと思う。うちのクラスが一番平和だ。


みんなとっても優しいし、可愛いし……過保護だ。


「そういえば桜もうすぐあれよね！」

「え？あれ？」


なんのことかは全くわからないけれど……何かあるのかもしれない。



「本当、見た目だけだと思ってたけど桃瀬さん優しいし抜けてるから一緒にいて面白いのよね〜」

「あはは、ありがとう……？」