少し気まずそうにする桜。


「……ごめん、一方的に重いよね。キモいよね……」

「えっ、そんなことないよ!!むしろ、とっても嬉しい……!!」

「そう?嬉しい」


桜ならそう言ってくれるってわかっていて言ったけれど、やっぱりその返答が嬉しくて思わず抱きしめた。




そして3分後。


「ね、ねぇ蓮くん」

「なぁに?」

「いつまでぎゅってするの……?」

「……嫌?これから俺たち結婚するんだし、このぐらい慣れてもらわないと……」

「け、結婚!?」


そう言った瞬間、大人しかった桜がバッと僕の胸を押して距離を取る。


「う、うん……?言ったよね」

「あれ、本当だったの……?お父さんに許可取ったっていうのも?」

「うん、本当だよ」

「そ、そうだったんだ……」



……そんなに嫌だったのかな。僕と結婚すれば地位名声が得られると言うのに……。

桜の髪の毛を優しく撫でる。