「やっと2人だけになれたね……」

「あはは……」

「今日は色々と大変だったなぁ」

「ねー」

「桜は強いね。カッコいいよ本当」


ソファに座りながら、ぎゅっと抱きしめられてそんなことを言われてしまう。


「えへへ、そうかなぁ」

「そうだよ。僕も桜に負けないようにカッコよくなるね」

「蓮くんはもう十分カッコいいよ?」

「あはは、桜は優しいなぁ」


蓮くんはいつも優しいって言ってくれるけど……それは蓮くんもだと思う。


「私、蓮くんが優しすぎて疲れてないか心配だよ……」

「……僕の優しさは偽りだから大丈夫」

「……え?」

「取り繕ってるだけだよ、これが一番楽だから。悪いよね」

「優しいのに変わりはないんだからいいに決まってるよ!私は偽物の優しさでも嬉しいよ」

「そう?あ、でも……桜への優しさは本物かもしれない」


ふふっ、何それ。嬉しいなぁ。


「ありがとう。でも無理しちゃだめだよ?」

「うん、基本的に利益にならない人以外には優しくしてないから大丈夫」

「そ、そっか」


それでも、そんな蓮くんが好きだなぁ。


「そろそろお昼にする?」

「うん!お腹空いちゃったなぁ」


お腹いっぱいになるまでお昼ご飯を食べた私たち。

やっと平和な日々が戻ってきて、1週間経つ前に学校に行くことが叶ったのだった。