「あっ、今私のことカッコいいと思ったでしょー?」

「えっ、なんでわかるの気持ち悪っ!!」

「お姉ちゃんだからね〜わかるんだよ」

「あっそ」


なんだか面白くて、同時に笑ってしまった。


「……陽菜ちゃんのこと、もう信用したから言うけどさ」

「うん」

「私、秋ちゃんにいじめられてるかもしれないんだ」

「……え?秋って出雲秋?」

「うん。蓮くんが言ってた」


でも出雲さんはずっと昔から桜のことが好きだったはずじゃ……。


「仲が良くなったところ悪いけど……」


そう言って部屋に入ってきたのは一条さんだった。


いや……


「どうしたんですか、お義兄さん?」

「……その呼び方は許してあげるよ陽菜さん」


私が桜の旦那として許したと認識したのか、少し嬉しそうにしたお義兄さん。


「キミのことストーカーしてるのって、このぐらいの背丈の人じゃない?」


自分の肩と同じぐらいのところで手を止めたお義兄さん。

確かに、背丈で言ったらそのぐらいだったはず……。


「多分そうです」

「やっぱりね。じゃあ出雲と美山さんはグルだったってことだ」

「え?桜子ちゃんが!?」

「そうだよ、僕の方でちゃんと調べてるんだ。桜を危険に晒すヤツは、誰であろうと消し去らなきゃいけないからね」