「うん……」


どうにか立ち上がって、桜についていく。

広い廊下……やっぱり一条グループの跡取り息子はちがうわね。

そんな人のお嫁になんて、桜ぐらい芯が強くないと耐えられないわ。


しばらく長い廊下を歩くと、ものすごく長いテーブルがある部屋に着いた。


「ここが私の席で、向かい合うところが蓮くんの席。それ以外ならどこにでも座っていいと思うから」

「わかった」

「ここにあるものはもう全部食べていいと思うし、お腹いっぱい食べてね」

「……ありがとう」

「お礼を言うなら蓮くんやお屋敷を手伝ってくれてる人にね。私は案内しただけだし」


ほんとどこまで心が広いのよ……信じらんない。