「無理……本当無理桜と触れ合えないとか生きてる意味ない」

「そ、それは大袈裟だけど……」

「桜はそうじゃないの」

「うっ……いや、そうだけど……ね、どうせ蓮くんと一緒に寝てるんだし私の部屋空いてるでしょ?だから、1日でいいから泊めてあげて」

「……わかった、1日だけね。……」


何か知っているような顔をした一条様に疑惑感を覚えた。

……なんか、怪しい。


「桃瀬さん、桜をいじめたりしたら今度こそこの世の中で生きていけないと思ってね」

「っ、は、はい……」


目が笑っていない微笑みを浮かべられる。恐怖で腰が抜けそうになった。


「陽菜ちゃん朝ごはん食べた?」

「ううんまだ……」

「じゃあ食べてきなよ!結構余っちゃってるし!ね!蓮くんいい?」

「そんな可愛い顔されたら……うっ、わかったよ……」

「ありがとう!」


ぎゅっと一条様に桜が抱きつけば、ご機嫌にニヤける。

怖い怖い、さっさと朝食をいただいて桜の部屋に居させてもらおう……。


「じゃあ僕はちょっとやらなきゃいけないことがあるから……桜は桃瀬さんを案内してあげて。何かあったらちゃんと気づくから安心してね」

「うん!じゃあ行こっか陽菜ちゃん」