「よくやっちゃうんだ」

「そ、そうなんですね……!やけどとか平気ですか?」

「うん、唇にしかついてないから平気」

「それはよかったです……!えっと、それでお話しとは……?」


そう聞くと、また顔を真っ赤にした三上さん。

恥ずかしがり屋さんなのかな……?



「え、えっと……桜ちゃんって、好きなものある?」

「好きなものですか……?うーん……」


なんだろう……猫ちゃんとか動物は好きだし、チョコレートも好きだし……。

蓮くんも好き。でもきっとそれは求められてる答えじゃないよね。


「チョコレートが好きです!っていうか、甘いもの全般好きです!」

「そ、そっか。わかった。今度チョコレート持ってくるね」

「えっ……!いいんですか!」

「うん、桜ちゃんとは仲良くなりたいし」

「ありがとうございます……!」


やったよお父さん……!!嫌われてはないみたい!

ほっとして胸を撫で下ろしていると、蓮くんが現れる。


「さーぐらー……」


どうやら相当寝ぼけているようで、半間開きで髪型ボサボサ中、私にぎゅっと抱きついてきた。

床に座りながら、お腹にすりすり頬を当てている。


「寂しかったよ、どこ行ってたの……?」

「ご、ごめんね、お客さん来てたから……」

「お客さん……?」